【OL・職場体験談】会社の裏で始まった背徳の関係

歩合の数字に一喜一憂しながら不動産会社に身を置いて三年。最初は名簿に片っ端から電話するだけで心が磨り減り、定時前に逃げ出したくなる日ばかりだった。けれど場数を踏むうち、要領も覚えた。アポで社外に出たら少し風に当たって気持ちを切り替え、月に二、三本決められた月は、財布の厚みで疲労が報われる。
「嫌いじゃないのかもしれない、この仕事」──そんな風に思い始めた頃、経理に新顔が入った。恵美。まだ十八。商業高校上がりで帳簿が得意らしく、現金手渡し文化の残るこの会社では彼女と顔を合わせる機会が自然と多い。

「優作さん、今月もう一件いけたら、祝・大台ですよね」
笑うと目尻がきゅっと下がる。派手な美人ではないけれど、親しみのある可愛さがある。膝上で止まるスカートの裾からのぞく素肌に、視線がつい落ちる自分を叱咤しながら、僕は「頑張るよ」とだけ返した。

「達成したら、ごちそうしてくれます?」
からかうような口調に、胸が一拍遅れて跳ねた。昼休みに同僚を交えて食事に出たことはあるが、二人きりで夜に、は初めての提案だ。
その瞬間からギアが入った。翌月に回してもいいか、なんて甘い考えは封印。粘って走り回って、どうにか今月中に一本ねじ込む。封筒の重みを確かめた帰り道、ひとりでガッツポーズをしている自分がいた。

「すごい!やりましたね」
満面の笑みで讃えられた勢いのまま、その夜、僕は恵美を夕食に誘った。
会社の玄関を出ると、彼女はもう私服に着替えて待っていた。キャミソールにミニスカート。さっきまでの事務服の印象が嘘みたいに、街の灯りに馴染む。

「何、食べたい?」
「焼肉!」
即答に苦笑しつつ、会社の宴会でしか行かない少し背伸びしたチェーンへ。ビールで乾杯し、希少部位の説明をメニューでなぞりながら皿を次々と注文する。
「これ、最高。お昼抜けばよかったなぁ」
嬉しそうに頬張る姿を見ているだけで、こっちまで満たされていく。

「優作さん、彼女いないんですか?」
不意の直球。いない、と答えると、彼女は「意外」と笑った。
「私もいないよ。ちょっと前に別れちゃって。遠距離、続かなかった」
どこか吹っ切れた言い方で、それが余計に胸に刺さる。
「じゃあさ、今度どこか連れてってよ。テーマパークとか。……ダメ?」
いたずらっぽく首を傾げる。返事はもちろん「喜んで」。

デート当日。コンビニ前に少し早めに着くと、彼女はもう立っていた。今日は落ち着いた清楚系。膝丈スカートに淡いピンクのブラウス。季節の光が似合う。
「早いね。私も。……これ、どうぞ」
差し出されたのは手作りのおにぎり。少し塩の強いおかかが、やけにうまい。水筒のコーヒーまで用意してあって、朝の道路が祝福みたいに見えた。

パークでは、ほとんど子どもみたいにはしゃぐ恵美に引っ張られ、僕も気づけば笑っていた。新エリアに並び、ポップコーンを分け合い、夕焼けの写真を撮る。レストランの窓に映る二人の距離は、昼より夜の方が近い。
「ねぇ、次はシーにも行こう。約束?」
「約束」

閉園まで遊び切って、マンション前まで送り届ける。
「来週、またね」
手を振る彼女が自動ドアの向こうに消えるまで、その場を離れられなかった。

週明け。彼女はいつも通り仕事モードで、僕もいつも以上に働いた。誰かに見栄を張りたいわけじゃない。ただ、目の前の数字を積み上げるのが今は気持ちいい。
夜、直帰予定を変更して会社へ寄った。Suicaを机に置き忘れていたことを思い出したのだ。
「お、優作。忘れ物か」
人の少ないフロアで、河野部長がこちらを振り向く。苦手意識のある相手だ。隣室はガラスの仕切りで丸見え。僕は軽く会釈して自席に戻り、必要なものを鞄に入れる。

ふと、視界の端で部長の口元が動く。誰かと話している? 反射的にガラス越しに目を凝らした次の瞬間、視線の低い位置に人影が沈んでいくのが見えた。
足元から、恵美が現れた──そう脳が理解するのに、数秒かかった。
椅子に座る部長と目線を合わせない高さ、乱れた髪、赤い頬。彼女の視線が一瞬だけこちらをかすめ、すぐに伏せられる。

胸の内で何かが乾いた音を立ててひび割れ、同時に血が逆流するみたいに全身が熱くなる。
“見てはいけない”と理性が告げる。けれど、目は動かない。
恵美は小さく頷き、部長の膝に手を置いた。ガラス越しの世界だけが、別の速度で動いている。僕は、握った鞄の持ち手に汗が滲むのを感じていた。

ガラスの向こうで身じろぎした二人の輪郭は、現実感を失っているのに、色だけがやけに鮮烈だ。僕は踵を返し、何事もなかったような足取りを装って廊下を離れた。ビルを出ると、夜風が顔の火照りを鎮めもせず、むしろ胸の奥に燃え残った火を煽るだけだった。

ベッドに倒れ込んでも眠れない。目を閉じるたび、昼の恵美と夜の恵美が、異なる速度で入れ替わる。キャミソール姿で笑う彼女と、ガラスの中で目を伏せる彼女。
嫉妬の鋭さは、紙の端で指を切ったときのように一瞬で、残るのはにぶい疼きだ。なのに、その疼きの下に貼りつく熱は、僕の呼吸を確実に粗くしていく。

“あれは何だったのか”
問いは偽装のようなものだ。見たままだ。けれど、答えに触れようとすると、手のひらを焼くほどの熱が立ち上がる。
明け方、短い眠りの底で、僕は恵美に名前を呼ばれた気がした。

「優作さん、おはようございます」
翌朝、経理の窓口に彼女はいつも通りいた。
声は澄んでいて、視線は穏やかで、口元だけがほんの少し固い。僕が返事をするまでの、半拍の沈黙が長い。
「昨日、遅くまで会社にいたんですか?」
心臓が痛いほど強く、けれど表情は崩さずに「うん、ちょっと忘れ物をね」と、できるだけ短く言葉を返す。

彼女の手が、領収書にホチキスを打つ手前で止まった。
「……そうですか」
そこから先を言えば、たぶんすべてが剥がれ落ちる。その直感が口を噤ませる。
「例の大台、おめでとうございます。ほんと、すごい」
彼女は笑って、ひとつだけ深く頭を下げた。礼儀正しい、けれど妙に丁寧な角度だった。

午前中の業務は、細い綱の上を渡るみたいに不安定だった。
昼休みが近づいた頃、社内チャットが小さく震えた。
〈今日、少しだけ時間もらえますか〉
送り主は恵美。会議室B、12:40──それだけ。

会議室Bは低いテーブルと白い壁しかない、簡素な箱だ。
扉が閉まる音の直後、彼女は僕を見上げた。
「昨日のこと、見ましたか」
息を吸い込むみたいに、その一言が部屋の空気を奪った。

嘘を重ねる余地はない。
「……見た、と思う。見たくて見たわけじゃないけど、目が離せなかった」
自分の声が少し掠れているのが分かる。

恵美は短く頷き、椅子に腰を下ろした。指先を組み、視線をゆっくりと落としてから、もう一度僕を見る。
「謝らなきゃいけないのは、私の方です。隠すつもりはなかったけど、話すつもりもなかったから」
「無理に話さなくていい」
「いいんです。言いたくなりました」

言葉は、一枚ずつ封筒の封を切るみたいに静かに続いた。
彼女には副業があった。夜、ラウンジでお酒をつぐ仕事。部長はそこでの客で、仕事の相談に乗るうち、境界が少しずつ曖昧になった。
「おかしいってわかってる。だから終わらせたくて、昨日、区切りをつけるつもりでした」
「区切り?」
「最後に会って、さよならを言うつもりだった。……でも、ああいう形になってしまって」

“最後”という響きが、肩の力をわずかに抜いた。矛盾だらけの安堵。それでも救いだった。
僕は机に手を置き、彼女に正面から聞く。
「今、恵美はどうしたい?」
彼女は間髪いれず答えた。
「優作さんに嫌われたくない」
それは、想像よりずっと軽くて、ずっと重い。

「嫌いになんか、ならない」
僕は首を横に振る。
「ただ、昨日の僕は臆病だった。目を逸らして、逃げた。……本音を言うと、嫉妬で頭が真っ白になって、同時におかしくなるほど興奮もした。最低だってわかってるのに」
口に出して初めて、自分で自分を受け止められた。

彼女は椅子の端で、何度か小さく頷いた。
「私も、最低かもしれない。誰かに見られるって、こわいのに、少しだけ……」
そこで言葉を切り、頬に熱を灯しながら、僕を真っ直ぐ見た。
「……優作さんに、見られたくて」

白い部屋の壁がゆっくりと距離を失い、音が遠のく。
僕らの間に、気配だけが濃く残った。

その日、僕らは二つの約束をした。
ひとつ、恵美は夜の仕事をやめる。
ひとつ、僕らは秘密を持つ。ただの恋愛ごっこではなく、互いを守るためのルールとして。

夜、駅から少し離れた路地の小さなビストロで向かい合った。
彼女はカーディガンの裾を指でつまみ、落ち着かない視線をテーブルに落としている。
「これで、本当に終わりにする」
グラスの縁で灯りを揺らしながら彼女が言う。
「怖くて長かった場所から、抜け出したくて」
「お疲れさま」
それしか言えない。言葉は少ないのに、胸の深いところで何かがほどける。

デザートのフォークを置く音と同時に、彼女が顔を上げた。
「……お願いがあるんです」
「なに」
「今夜、どこか、二人になれるところへ行きたい」
誘いではない。求める声だった。僕は頷く。

古いビジネスホテルの鍵は、差し込むと小さく鈴を鳴らすみたいな音がした。
部屋に入る。オレンジ色の灯りが、白い壁紙と薄いカーテンを柔らかく染める。
扉を閉めた瞬間、背中に温度が触れた。振り返ると、恵美が一歩、距離を詰めていた。
「優作さん」
名前は、合図になった。

抱きしめるのは簡単だった。腕を回すと、彼女の体温が胸に溶けてくる。香水じゃない、昼の彼女の匂い。
キスは、最初から深かった。触れた瞬間に確かめる気持ちと、確かめる前から分かり合っていたみたいな衝動が、同時に波になって寄せた。
吐息が重なり、肩が上がる。背中に回された彼女の指が、シャツの皺をつくる。
「見て」
囁きは震えていない。僕は灯りを消さず、彼女の顔、瞼、頬、首筋、鎖骨をゆっくりと目で撫でた。触れる手の軌跡より、視線の方が先回りしていく。

互いの温度が重なるたび、胸の奥にあったひび割れは、別の形に生まれ直す。
嫉妬が、所有の願いに変わっていく。
秘密が、守るべき約束に変わっていく。
そして、見られていた夜の痛みが、いま隣で見合う悦びに上書きされていく。

彼女はときどき目を閉じ、ときどき真っ直ぐに僕を見つめた。
その視線が灯りを掬い、僕の中の暗い場所まで届く。
「大丈夫」
「ここにいる」
交わす言葉は短くて、要らない言葉はひとつもなかった。

時間の輪郭が曖昧になって、ようやく深い呼吸を取り戻した頃、窓の外では都会の風が遠くを撫でていた。
ベッドの片側に体を預け、彼女の髪に指を差し入れる。指先が髪を梳く音だけが、部屋の小さな静けさを満たした。

朝の光は思っていたよりもやわらかく、カーテンの隙間から部屋を薄桃色に染めた。
目を覚ました恵美は、枕元で小さく伸びをして僕を見る。
「おはよう」
掠れた声が、夜の余韻を連れてくる。
「おはよう」
返す声が、どこか誇らしい。守るべきものが増えた朝の声だ。

帰り支度の途中、彼女は鏡の前でカーディガンを肩にかけ、振り返った。
「昨日までの私と、違って見える?」
「うん」
「悪い方?」
「いい方。ちゃんと、こっちを向いてる」
言ってから、頬が熱くなる。彼女は微笑み、鏡越しに僕の方へ視線を送った。

ロビーで別れ、互いに別々の駅へ向かう。
人の流れに紛れながら、今までの僕よりも姿勢がまっすぐになっているのを感じた。
嫉妬にも、秘密にも、名前がついた。
逃げずに呼べる言葉があるだけで、人は随分と強くいられる。

それからの一週間、僕はよく働いた。
数字を追う理由が増えたのだ。誰かに誇示するためじゃない。彼女と並んで歩く自分でいたかった。
恵美は経理で淡々と仕事をこなし、ときどき僕のデスクに立ち寄っては短い用件だけを告げて去っていく。そのどれもが、僕の一日を少し明るくした。

夜は、週に一度だけ会う。
会社の近くの小さなバー、駅から離れた川沿いのレストラン、二人で見つけた遅くまで開いている喫茶店。
「灯りを消さない方が好き」
彼女が言ったとき、僕は頷いた。
「同じものを見ていたいから」
どこまでもシンプルな理由が、どこまでも正確に僕の望みと重なっていく。

ときどき、彼女は不安になる。
「もし、また誰かに見られたら?」
「そのときは、俺が見てる」
答える自分に気づき、笑ってしまう。
支配でも独占でもなく、在ることの約束。
恵美はその言葉に安心して、肩を預けた。

季節は、ビル風の冷たさが変わるころに差し掛かった。
週末の午後、二人で郊外のショッピングモールに出かける。人混みの中でも、僕らは視線で合図ができるようになった。
「コーヒー、買ってくる」
「私は、あのブレスレット見てる」
別れても、すぐに見つけられる。
戻ってきた彼女の手首に、さっき見ていた細い金具が光っていた。
「似合う?」
「似合う」
シンプルな言葉が、まっすぐに届く。

帰り道、彼女が急に足を止め、ビルのガラスに映る自分たちを覗き込んだ。
「変わったね、私たち」
「うん」
「どこが?」
「全部、かもしれない。でも、根っこは変わってない」
僕が言うと、恵美は少し考えてから笑った。
「そうだね。約束が増えただけだ」

ある雨の夜、僕らは再びホテルの鍵を鳴らした。
部屋に入ると、雨音が壁を柔らかく叩いている。
灯りの下、彼女はゆっくりと僕の前に立った。
「ねぇ、もうひとつだけ、言ってないことがある」
「聞かせて」
「最初にあなたを好きになったのは、焼肉の夜じゃない」
「いつ」
「初めて“ごちそうして”って言った日。経理の窓口で、あなたがちょっと照れて笑った顔。あのときにはもう、たぶん」

言葉が胸の奥のどこかに届いて、小さな音で弾けた。
僕は彼女の頬に触れ、額を合わせる。
「俺も、あの日から、やっと息がしやすくなった」
「どうして」
「未来って、誰かの輪郭をしてるんだと思ったから」

雨音が近くなる。
僕らは灯りを消さない。
見えることは、怖くない。
見せることが、約束になる。

人は変わる。誰かと手を取り合えばなおさらだ。
嫉妬はやわらぎ、代わりに“ここにいる”という確信が骨に染みる。
秘密は罪ではない。守る理由が自分の中に根を伸ばすほど、それは「選んだ日々」に変わっていく。

帰り道、彼女は歩幅を少しだけ小さくして、僕に合わせる。
「ねぇ優作さん、次は海が見えるところに行きたい」
「行こう」
「灯り、消さないでいい場所がいい」
「任せて」

交差点の信号が青に変わる。
僕らは肩を並べ、同じ方向へ歩き出す。
夜風がネクタイの端を揺らし、彼女の髪を少しだけ乱す。
その全部が、愛おしい。

秘密の温度は、僕らの鼓動と同じリズムで確かめられる。
それは、たしかに生きている。

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